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お役立ちコラム介護介護DX

離床センサーとは?種類の選び方と看護・介護での安全な運用ポイントを解説

By 2026年8月3日8月 6th, 2026No Comments

夜間の巡視だけでは、利用者の起き上がりや離床の瞬間を把握しきれません。転倒や転落、徘徊のリスクを早く察知する手段として、離床センサーへの関心が高まっています。ここでは種類の違いや選び方、現場で安全に使うための運用の考え方を整理します。

この記事でわかること

離床センサーは転倒や徘徊のリスクを早く知らせる見守り機器

利用者の離床や移動開始を検知し、スタッフへ通知します。事故そのものを防ぐ機器ではなく、対応を早める補助手段です。

マット型・ベッド型・クリップ型など種類ごとに検知の特性が違う

どの動作を、どのタイミングで捉えるかが機器ごとに異なります。利用者の状態と設置場所に合わせて選ぶ必要があります。

選定と同じくらい運用ルールと現場確認が重要

設置位置・通知方法・プライバシー配慮を整えないと、誤報や形骸化を招きます。試用と現場確認が導入の前提です。

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離床センサーは転倒や徘徊の予防を支える見守り機器

離床センサーは、利用者がベッドから起き上がったり立ち上がったりした動作を検知し、スタッフへ知らせる機器です。機器そのものが事故を防ぐわけではなく、スタッフの気づきと対応を早めるための補助手段という位置づけになります。夜間や人手が限られる時間帯の見守りを支える道具として、多くの施設で使われています。

離床センサーでわかること

離床センサーが検知するのは、利用者の「動き出し」です。具体的には、ベッドからの起き上がり、端座位への移行、立ち上がり、床への足の接地、居室からの移動開始などが挙げられます。検知した瞬間にナースコールやスマートフォンへ通知が届く仕組みが一般的です。

たとえば認知症のある利用者が夜間に一人でトイレへ向かおうとする場面では、スタッフが気づかないうちに移動が始まると転倒につながります。センサーが立ち上がりを捉えて通知すれば、スタッフは到着前に状況を把握できます。「いつ・どこで・どの動作が起きたか」を早く知ることが、離床センサーの中心的な役割です。

離床センサーが必要になる場面

離床センサーの導入が検討されるのは、利用者本人の力だけでは安全な移動が難しく、かつスタッフが常時付き添えない場面です。夜勤帯は1人のスタッフが複数の居室を巡視するため、離床の瞬間を目で追いきれません。この空白を埋める目的で使われます。

  • 歩行が不安定で、立ち上がり直後の転倒リスクが高い利用者
  • 認知症により、ナースコールを押さず一人で移動を始めやすい利用者
  • 夜間頻尿などでトイレ移動が多く、その都度の付き添いが難しい利用者
  • 居室からの外出(いわゆる徘徊)が見られ、出口付近での把握が必要な利用者

近年は、身体拘束を最小化する流れのなかで、拘束に頼らず離床を把握する手段としても位置づけられています。ただし、センサーの使用が利用者の見守りや行動制限にあたるかどうかは、目的や運用方法によって慎重に検討する必要があります。

離床センサーとナースコールの違い

両者の違いは「誰が発信するか」にあります。ナースコールは利用者自身がボタンを押して助けを求める仕組みです。一方、離床センサーは利用者が意思表示をしなくても、動作そのものを機器が検知して自動で通知します。

項目ナースコール離床センサー
発信の主体利用者本人機器が自動検知
向いている利用者意思表示ができる方自ら知らせにくい方
通知タイミング本人が押した時動作が起きた時

両者は競合するものではなく、役割が異なります。ナースコールを押せる利用者にはナースコールを、押さずに動き出す利用者には離床センサーを、と併用する運用が現実的です。多くの離床センサーはナースコールと連動でき、既存設備を活かした導入もできます。

離床センサーの種類を特徴別に整理する

離床センサーは検知方式によっていくつかの種類に分かれます。違いは主に「どの動作を、どのタイミングで捉えるか」にあります。起き上がりを早く知りたいのか、床への接地を確実に捉えたいのかで適した機器が変わります。ここでは代表的な5種類を整理します。

マット型離床センサーは足元の動きを検知しやすい

マット型は、ベッドサイドの床やベッド上に敷いたマットに体重がかかると検知する方式です。センサーマットやフロアセンサーとも呼ばれます。ベッド横の床に置くタイプでは、利用者が床に足をついて立ち上がろうとした段階で通知が届きます。

構造がシンプルで扱いやすい一方、通知が届くのは足が床についた後のため、検知のタイミングとしてはやや遅めです。すでに立ち上がっている利用者へは間に合わない場合があります。マットの端につまずくリスクにも注意が必要です。

ベッド設置型離床センサーは起き上がりの変化を捉えやすい

ベッドセンサーは、マットレスの下やベッドフレームに設置し、体重の移動や体の傾きを検知します。利用者が上体を起こした段階、あるいは端に座った段階で通知するため、床型より早いタイミングで動きを把握できます。

寝返りや体位変換が多い利用者では、通常の体動を離床と誤って検知することがあります。感度設定を利用者の体格や動きに合わせて調整することが、誤報を減らす鍵になります。ベッド上に敷かないタイプなら、利用者が機器を意識しにくい利点もあります。

クリップ型離床センサーは移動開始を把握しやすい

クリップ型は装着型の一種で、利用者の衣類やベッド柵に磁石やクリップでコードを取り付けます。利用者が一定距離動くとクリップが外れ、その瞬間に通知が鳴る仕組みです。起き上がりや移動の初動を早く捉えられます。

検知が早い反面、利用者がコードを気にして自分で外してしまうことがあります。体に近い機器のため、装着が拘束的にならないよう目的と方法を確認したうえで使うことが求められます。寝返りだけで外れて誤報が増える場合もあります。

赤外線や超音波の離床センサーは非接触で見守りやすい

赤外線センサーや超音波センサーは、ベッド周辺や通路に設置し、利用者が検知範囲を横切ったり起き上がったりした動きを非接触で捉えます。体に何も付けず、床にも敷かないため、利用者への負担が小さい方式です。

検知範囲の設定次第で、起き上がりから通路の通過まで幅広く対応できます。ただし、掛け布団や小動物、カーテンの動きなどに反応して誤報が出ることがあります。設置角度と検知範囲を現場で調整する手間が発生します。コードレスの製品も多く、配線を気にせず設置しやすい点も特徴です。

トイレや車いす向けの離床センサーは生活動線に合わせやすい

ベッド以外の場所に対応した製品もあります。車いす用のクッション型センサーは、利用者が座面から立ち上がろうとした重心の変化を検知します。トイレ内での立ち上がりや、便座からの離座を捉えるタイプもあります。

転倒はベッド周辺だけで起きるわけではありません。車いすからのずり落ちやトイレ内の立ち上がり時の転倒も少なくないため、利用者の生活動線に沿って設置場所を選ぶ視点が役立ちます。日中の活動場面を含めて、どこで見守りが必要かを洗い出すとよいでしょう。

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離床センサーは利用者の状態と設置場所で選ぶ

種類が多いだけに、選定では「何を優先するか」を明確にすることが重要です。検知の早さ、誤報の少なさ、対象の動線、衛生面、運用のしやすさ。どれを重視するかで適した機器が変わります。ここでは目的別に選び方を整理します。

転倒や転落を防ぎたいなら検知のタイミングで選ぶ

転倒・転落を防ぐには、スタッフが到着する前に動きを把握できるかが鍵です。床型のマットは足が床についてからの通知になるため、立ち上がりが速い利用者には間に合わないことがあります。起き上がりや端座位の段階で知りたい場合は、ベッド設置型や赤外線型が候補になります。

たとえば立ち上がってから2〜3歩でふらつく利用者には、床型では対応が遅れがちです。利用者が動き出してからスタッフが到着するまでの時間を逆算し、必要な検知の早さから機器を選ぶ考え方が実務的です。

体動が多いなら誤報が起きにくい離床センサーを選ぶ

寝返りや体位変換が多い利用者に感度の高い機器を使うと、離床ではない動きで通知が頻発します。誤報が続くとスタッフの通知への反応が鈍り、いざという時の対応が遅れる「オオカミ少年」状態を招きます。

感度を段階的に調整できる製品や、一定の動きが続いた場合のみ通知する製品を選ぶと、体動の多い利用者でも誤報を抑えやすくなります。導入前に、その利用者の夜間の動きの傾向を数日観察してから機器を決めると失敗が減ります。

徘徊対策なら出口や通路に合う離床センサーを選ぶ

居室からの外出を把握したい場合は、ベッド周辺ではなく居室の出入口や共用通路に検知範囲を置く必要があります。赤外線や超音波の非接触型を出入口付近に設置し、通過した瞬間に通知する運用が向いています。

ベッドセンサーだけでは、利用者が一度離床してから移動を始めた場合に把握が遅れます。「離床の把握」と「移動・外出の把握」は別の目的と捉え、必要なら複数の機器を組み合わせて配置します。

衛生面を重視するなら非接触の離床センサーを検討する

マット型やクリップ型は利用者や寝具に接するため、汚れた際の清掃や消毒が必要です。感染対策を重視する場面や、複数利用者で共用する可能性がある場面では、清掃の手間が運用負担になります。

赤外線・超音波の非接触型は体や寝具に触れないため、清掃の負担が小さくなります。ただし、非接触型でも本体や設置面の定期的な清掃は必要です。清掃のしやすさと検知の確実さの両面を比べて選ぶとよいでしょう。

運用しやすさを重視するなら通知方法と連携機能を確認する

通知が居室内のブザーだけでは、離れた場所にいるスタッフに届きません。ナースコール連動や、スマートフォン・PHSへの通知に対応しているかを確認します。夜勤スタッフが少ない施設ほど、手元の端末に通知が届く仕組みの価値が高まります。

運用面で確認したいチェック項目
  • 通知の届け先(居室ブザー・ナースコール・スマートフォン等)
  • 配線の有無(有線か、コードレスか)
  • 感度や検知範囲の調整のしやすさ
  • 電源方式(電池交換・充電の頻度)
  • 既存の見守りシステムや介護記録との連携可否

見守りシステムと連携できる製品なら、通知履歴を記録として蓄積し、後から離床のパターンを振り返ることもできます。ICT機器の導入には自治体の補助金が活用できる場合がありますが、対象や補助率は年度・自治体・施設区分により異なるため、所管窓口での確認が前提です。

離床センサーを安全に活用するには運用ルールが欠かせない

機器を導入しただけでは、期待した見守りにはつながりません。設置位置、通知への対応体制、利用者への配慮といった運用ルールを整えて初めて機能します。ここでは導入後に見落とされがちな運用上の注意点を整理します。

離床センサーだけで事故を防げるわけではない

離床センサーは動きを知らせる機器であり、転倒を物理的に止めるものではありません。通知が鳴っても、スタッフが到着する前に転倒が起きることはあります。通知への対応をどれだけ迅速にできるかが、実際の効果を左右します。

誰が、どの端末で通知を受け、何分以内に居室へ向かうのか。対応の流れをあらかじめ決めておく必要があります。夜勤の人員配置や居室の位置関係も踏まえ、機器と体制をセットで設計することが欠かせません。

設置位置が合わないと離床センサーの精度が下がる

同じ機器でも、設置位置がずれると検知が遅れたり誤報が増えたりします。マットが利用者の降りる側と逆に置かれていれば、足を踏まずに離床してしまいます。赤外線の角度が布団にかかっていれば、寝返りで誤報が出ます。

推奨される設置
  • 利用者が実際に降りる側にマットを配置する
  • 検知範囲に布団やカーテンが入らないよう角度を調整する
避けたい設置
  • 導入時のまま位置を見直さず放置する
  • 誤報が多いからと感度を最低にして検知漏れを招く

利用者の体格や生活リズムは変わります。定期的に設置状態を見直し、検知の様子を記録しながら微調整する習慣が精度を保ちます。

利用者の尊厳とプライバシーに配慮して使う

見守り機器は、使い方によっては利用者に監視されている感覚を与えます。特に装着型のクリップは、利用者が煩わしさや拘束感を訴えることがあります。導入にあたっては、目的を本人や家族に説明し、同意を得る手続きを丁寧に行うことが重要です。

注意ポイント

利用者の行動を制限する目的で機器を使う場合、身体拘束に該当しないかを組織として検討する必要があります。目的・方法・同意のあり方を記録し、多職種で判断することが求められます。

見守りの目的はあくまで安全と本人の生活の質を守ることです。機器を入れる前に、環境調整や排泄リズムの把握といった別の手立てで対応できないかを検討する視点も欠かせません。

導入前に試用と現場確認を行う

カタログの仕様だけでは、自施設の環境や利用者に合うかは判断できません。可能であれば試用貸出を利用し、実際の居室で数日運用してから本導入を決めると失敗を防げます。

1
対象利用者の動きを把握する
夜間の離床の頻度や時間帯、動作の傾向を数日観察します。
2
試用機を実際の居室に設置する
検知タイミングと誤報の頻度を、現場のスタッフが確認します。
3
通知への対応手順を決める
誰がどの端末で受け、どう動くかをルール化して共有します。

日中の見守りや夜間対応と並行して、利用者の身体機能を保つ取り組みも転倒リスクの軽減につながります。近年はMR(複合現実)機器を活用し、バランスや歩行に関わる機能訓練を継続する施設も出てきています。

よくある質問

Q離床センサーの使用は身体拘束にあたりますか。

A使用目的や方法によって判断が分かれます。見守りと早期対応のための使用と、行動を制限する目的での使用では意味が異なります。目的・方法・本人や家族の同意を記録し、多職種で検討することが求められます。判断に迷う場合は、所管の自治体や施設の方針を確認してください。

Q誤報が多くて困っています。どう対処すればよいですか。

Aまず設置位置と感度設定を見直します。布団やカーテンが検知範囲に入っていないか、体動の多い利用者に対して感度が高すぎないかを確認してください。感度を段階調整できる機器や、一定の動きが続いた時だけ通知する機器への変更も選択肢になります。感度を下げすぎると検知漏れを招くため、バランスを見ながら調整します。

Q離床センサーの導入に補助金は使えますか。

A見守りやICT機器の導入に対する補助金が活用できる場合があります。ただし、対象となる機器・補助率・申請時期は年度や自治体、施設区分によって異なります。導入を検討する際は、事前に所管の自治体窓口へ最新の要件を確認してください。

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まとめ

離床センサーは、利用者の動き出しを検知してスタッフの対応を早める見守り機器です。種類ごとに検知のタイミングや特性が異なり、利用者の状態と設置場所に合わせた選定が欠かせません。機器の導入と同時に、通知への対応体制やプライバシー配慮を含む運用ルールを整えることが、実際の効果を左右します。

この記事のまとめ

離床センサーは動きを知らせる補助手段であり、事故を物理的に防ぐ機器ではない

マット型・ベッド型・クリップ型・非接触型など、検知の特性が種類ごとに異なる

検知の早さ・誤報の少なさ・動線・衛生面・連携機能から目的に合わせて選ぶ

設置位置の調整・通知対応の体制・尊厳への配慮・試用確認が運用の要になる

見守りの整備と並行して、利用者の身体機能を保つ機能訓練の充実も、転倒リスクの軽減につながります。MR技術を活用した機能訓練の選択肢に関心のある方は、資料をご覧いただくと現場での活用イメージがつかみやすくなります。