Skip to main content
お役立ちコラム介護介護現場運営ノウハウ

高齢者向け脳トレ体操20選!自宅と施設で使える運動と認知課題の組み合わせで認知症予防

脳トレ体操は、体を動かしながら計算や記憶などの認知課題を組み合わせる運動です。単純な体操より飽きにくく、自宅でも施設でも取り入れやすいのが特徴です。この記事では、高齢者が自宅と施設で無理なく続けられる具体的なメニューと、安全に習慣化するコツを紹介します。

この記事でわかること

運動と認知課題を組み合わせると続けやすい理由がわかる

単なる体操や計算ドリルより飽きにくく、意欲を保ちやすい仕組みを整理します。

自宅でできる脳トレ体操12種の具体的なやり方がわかる

指先・座位・足踏み・声かけの4タイプに分けて、道具なしでできる手順を紹介します。

介護施設のレクで使える脳トレ体操8種がわかる

少人数から全体レクまで、盛り上がりと個別性を両立させる工夫をまとめます。

安全に続けるための準備・難易度・頻度の目安がわかる

無理をせず習慣化するための時間・回数・声かけの具体策を示します。

この記事の監修者
坂本憲太
坂本 憲太(作業療法士/株式会社テクリコ)
京都大学大学院医学研究科修士課程修了。大学病院での作業療法士としての臨床・研究経験を経て、2020年より株式会社テクリコに参画。MR技術を活用したリハビリテーション機器の研究開発、医療機器関連業務、学術連携、製品化・事業推進に携わる。

介護施設向けMR機能訓練サービス「リハまるLite」

3つの訓練モード、補助金活用、導入の流れまで詳しくご紹介しています。

リハまるLiteの詳細を見る

高齢者の脳トレ体操は運動と認知課題を組み合わせると続けやすい

脳トレ体操とは、足踏みや手指の運動といった身体の動きと、計算・しりとり・記憶といった認知課題を同時に行う運動です。二つの課題を並行して行うことを「デュアルタスク」と呼びます。単純な体操だけ、あるいは計算ドリルだけよりも、変化がつきやすく続けやすいのが利点です。

脳トレ体操で高齢者に期待できる効果

身体を動かしながら考える運動は、生活期の高齢者の活動量を保つきっかけになりえます。デイケア利用者にMR課題を用いた研究では、歩きながら数字を探す認知課題を6か月継続した2名で、MoCA-J(日本語版モントリオール認知評価)やTMT(トレイル・メイキング・テスト)のスコアに改善が報告されています。

ただし、脳トレ体操で認知症が治る、確実に予防できると断定はできません。あくまで意欲的に体を動かす機会を増やし、生活のなかで役割や活動を保つための選択肢の一つとして位置づけるのが適切です。座ってばかりの時間を減らし、笑顔で取り組める場面を作ることが、まず目指したい着地点になります。

高齢者の脳トレ体操が向いている人

脳トレ体操は、体力に自信がなく激しい運動が難しい方でも取り組みやすい運動です。椅子に座ったまま指先を動かすメニューなら、立位が不安定な方でも参加できます。集団体操では途中で手が止まってしまう方が、しりとりを絡めた足踏みには自分から声を出す、という場面も現場ではよく見られます。

一方で、体調が不安定な方や、心臓・呼吸器に持病がある方は、事前に主治医へ運動の可否を確認しておくと安心です。痛みや強い疲労があるときは無理をせず、その日の状態に合わせて回数を減らす判断が欠かせません。

高齢者の脳トレ体操を選ぶときの判断基準

メニュー選びで迷ったときは、次の3つの軸で整理すると本人に合うものが見つけやすくなります。

判断軸確認するポイント選び方の例
姿勢立位が安定しているか不安定なら座位メニュー
認知の負荷課題が難しすぎないか最初は片手だけの動作から
好み歌・会話が好きか好きなら声かけ型を選ぶ

大切なのは、正解率の高さではなく本人が楽しめるかどうかです。間違えても笑って続けられるレベルに設定すると、翌日以降も取り組みやすくなります。

脳トレだけ行うのと体操を組み合わせる方法の違い

計算プリントなどの脳トレだけを行う方法は、静かに集中できる反面、体を動かす機会が増えません。体操だけでは動作が単調になりやすく、慣れると意識せずこなせてしまいます。両者を組み合わせると、「体を動かしながら考える」状態が生まれ、注意を分ける力を使う場面が増えます。

たとえば足踏みしながら3の倍数で手をたたく、という課題は、動作と計算のどちらかに気を取られると崩れます。この崩れやすさこそが二重課題のポイントで、単独では得られない負荷になります。ただし難しくしすぎると手が止まり意欲が下がるため、成功と失敗が半々になる程度が続けやすい目安です。

高齢者が自宅でできる脳トレ体操12選

ここでは自宅で道具をほとんど使わずにできる脳トレ体操を、指先・座位・足踏み・声かけの4タイプに分けて12種紹介します。いずれも1回5分から始められ、家族と一緒に取り組めるものです。無理のない範囲で、できそうなものから選んでください。

指先を使う脳トレ体操

手指を細かく動かす運動は、座ったまま安全に取り組める点が魅力です。次の3種は道具なしで始められます。

  • ① グーパー左右ずらし
    片手をグー、もう片手をパーにして、掛け声で左右を入れ替えます。慣れたらテンポを上げます。
  • ② 親指から順番タッチ
    親指と各指を順に合わせ、往復します。左右で違う方向に動かすと難度が上がります。
  • ③ 数えながら指折り
    1から数を声に出しながら指を折り、10で開きます。数を7から逆に数えると認知の負荷が増します。

指先の動作は動きが小さく、テレビを見ながらでも続けやすいのが利点です。左右で違う動きにすると一気に難しくなるため、最初は片手だけでも構いません。

座ってできる脳トレ体操

椅子に座って行う運動は、転倒のリスクを抑えながら取り組めます。膝や腰に不安がある方でも安心して続けられます。

  • ④ 膝たたきしりとり
    両手で膝を交互にたたきながら、しりとりを続けます。リズムが崩れないよう意識します。
  • ⑤ 腕上げ計算
    腕を上げ下げしながら、100から3ずつ引き算します。動作と計算を同時に進めます。
  • ⑥ 足首まわし色さがし
    足首を回しながら、部屋の中で赤い物を3つ探します。目と足を別々に使います。

椅子は肘掛けのある安定したものを選び、座面に深く腰かけます。腕上げ計算では、引き算に集中すると腕が止まりがちですが、それも二重課題の狙いどおりです。

足踏みで進める脳トレ体操

足踏みを土台にした運動は、下肢を動かしながら認知課題を重ねられます。立位が安定している方に向いています。

  • ⑦ 足踏み倍数たたき
    その場で足踏みし、数を数えながら3の倍数で手をたたきます。テンポは一定に保ちます。
  • ⑧ 足踏み言葉集め
    足踏みしながら「か」で始まる言葉を次々に挙げます。止まっても足は動かし続けます。
  • ⑨ 前後ステップ方向指示
    前後に一歩ずつ踏み出しながら、家族の「右」「左」の声に合わせて向きを変えます。

足踏み系は必ず壁や椅子の近くで行い、ふらついたらすぐ支えられる位置に立ちます。ふらつきを感じたら座位のメニューに切り替える判断が安全につながります。

声かけを組み合わせる脳トレ体操

声を出す運動は、発声と動作を同時に行うため会話が好きな方に向いています。家族との掛け合いにもなります。

  • ⑩ 数え唄手拍子
    童謡を歌いながら、特定の言葉が出たら手をたたきます。歌詞に注意を向けます。
  • ⑪ 反対語返し体操
    腕を伸ばしながら、出された言葉の反対語を答えます。「高い」に「低い」と返します。
  • ⑫ 曜日さかのぼり深呼吸
    深呼吸しながら、今日から曜日を逆にたどって声に出します。呼吸のペースを保ちます。

声かけ型は正解を急がせないことが続けるコツです。言葉が出てこなくても、答えを待つ間に一緒に笑える雰囲気があると、翌日も自然に取り組めます。

リハまるLite

介護施設向け
個別・集団対応
補助金活用可

介護施設向けに開発されたMR機能訓練サービス。「しっかり個別」「それぞれ自動」「レクササイズ」の3つのモードで、個別訓練から集団でのレクリエーションまで幅広く対応します。ICT基盤が整っていない事業所でも導入しやすい設計です。

基本情報
対象施設介護サービス事業所(デイケア・デイサービス・介護老人保健施設・有料老人ホーム等)
主な機能個別・集団対応の機能訓練支援、3つの訓練モード(しっかり個別/それぞれ自動/レクササイズ)
価格補助金活用により実質15万円〜
◎おすすめポイント
  • 導入しやすい:ICT基盤が未整備の事業所でも導入しやすい
  • 操作が簡単:特別な資格や研修なしで操作できる
  • 補助金対応:介護テクノロジー導入支援事業の補助金を活用できる

サービス詳細を見る →

介護施設で取り入れやすい高齢者の脳トレ体操8選

介護施設では、参加人数や利用者の状態に幅があるため、少人数向けと全体レク向けを使い分けると進めやすくなります。ここでは通所介護やデイケアのレクリエーションで取り入れやすい8種を、4つの場面に分けて紹介します。同じ課題でも一人ひとりに応じて難易度を変えられるかが、飽きさせない鍵になります。

少人数で進めやすい脳トレ体操

4〜6名程度の少人数では、一人ずつの様子を見ながら声をかけられます。個々の反応に合わせて課題を調整しやすい場面です。

  • ① 順番回し連想ゲーム
    手を膝でたたきながら、テーマに沿った言葉を順に挙げます。詰まったら次の人へ回します。
  • ② 色カードタッチ
    机上の色カードを、指示された順に足踏みしながらタッチします。指示の数を増やして調整します。

少人数では、手が止まった方には選択肢を絞って渡すなど、その場で負荷を下げられます。全員が同じ正解率になる必要はなく、それぞれのペースを尊重する進め方が向いています。

全体レクで盛り上がる脳トレ体操

10名以上の全体レクでは、勝ち負けや掛け声で場が盛り上がります。参加しにくい方も雰囲気に乗って自然に体を動かせます。

  • ③ 後出しじゃんけん体操
    職員に「負けて」と指示され、後出しで負ける手を出します。勝つ指示に切り替えて難度を変えます。
  • ④ 数字コール手拍子
    職員が数を読み上げ、決めた数のときだけ全員で手拍子します。読む速さで盛り上がりを作ります。

後出しじゃんけんは、あえて「負ける」よう指示すると考える負荷が生まれます。間違えても笑いが起きやすく、参加しにくかった方が声をだすきっかけにつながります。

歌やリズムを使う脳トレ体操

音楽を使うレクは、リズムに合わせて動くため導入しやすく、なじみの曲だと自然に声が出ます。発声と動作を重ねられます。

  • ⑤ 歌詞入れ替え体操
    なじみの歌を歌いながら、決めた言葉のところで動作を変えます。歌詞に注意を向け続けます。
  • ⑥ リズム打ち分け
    曲に合わせ、右手は膝・左手は肩と別々に打ちます。左右を入れ替えて負荷を変えます。

歌は昔よく親しんだ曲を選ぶと、歌詞が自然に出て動作に集中できます。左右で違うリズムを打つ課題は難しく、最初は片手だけにするなど段階的に進めます。

認知症予防と転倒予防を意識した脳トレ体操

下肢の運動に認知課題を重ねる方法は、身体機能の維持と認知への刺激を同時にねらえます。安全確保を最優先にします。

  • ⑦ 座位もも上げしりとり
    椅子に座り交互にももを上げながら、しりとりを続けます。転倒リスクを抑えつつ下肢を使います。
  • ⑧ つかまり足踏み計算
    手すりや椅子につかまって足踏みしながら、簡単な引き算を続けます。ふらつきに注意します。

この種の運動は、歩く・立つといった身体機能の維持を目指すものであり、転倒を確実に防ぐと約束するものではありません。手すりや職員の見守りを前提に、安全な範囲で下肢を使う機会を作る位置づけで取り入れます。

高齢者が脳トレ体操を安全に続けるコツ

脳トレ体操は続けてこそ意味があります。無理な負荷や飽きは中断につながるため、準備・難易度・頻度・声かけの4点を押さえておくと習慣化しやすくなります。体調や状態は日によって変わるため、その日に合わせて調整する姿勢が欠かせません。

高齢者の脳トレ体操で無理を避ける準備

始める前に、体調と環境を確認します。血圧が高い日や強い疲労がある日は、回数を減らすか中止する判断が必要です。心臓や呼吸器に持病がある方は、事前に主治医へ運動の可否を確認しておくと安心して取り組めます。

環境面では、足元の障害物を片づけ、つかまれる椅子や手すりを近くに用意します。足踏み系では、ふらついてもすぐ支えられる位置に人が立つことが安全につながります。準備を整えるだけで、途中で中断せず最後まで続けやすくなります。

難易度を上げすぎない進め方

難しすぎると手が止まり、意欲が下がります。成功と失敗が半々になる程度が続けやすい目安です。慣れてきたら、テンポを上げる・左右で違う動きにする・数を逆から数えるなど、要素を一つずつ足していきます。

逆に、簡単すぎても刺激になりません。片手のグーパーが安定してきたら左右をずらす、といった段階的な変化が有効です。本人が「少し難しいけれど、できそう」と感じるところに合わせると、翌日以降も取り組みやすくなります。

毎日の習慣にしやすい時間と頻度

1回5〜10分、1日1〜2回から始めると負担になりにくく続きます。食後や決まったテレビ番組の前など、生活の区切りに組み込むと忘れにくくなります。長時間まとめて行うより、短時間を毎日重ねるほうが習慣として定着しやすい傾向です。

介護施設では、送迎後や昼食前など日課の合間に5分だけ取り入れる方法があります。無理に毎日を目指さず、できる日にできる分だけ続ける姿勢のほうが、結果的に長く続きます。

間違えても楽しめる声かけの工夫

脳トレ体操では、正解率よりも本人が楽しめるかが続く鍵になります。間違えたときに「惜しい」「面白い間違いですね」と返すと、緊張がほぐれます。答えを急かさず、出てこない言葉を一緒に待つ姿勢が安心感につながります。

集団では、うまくできた方だけでなく、参加しようとした方にも声をかけます。できた・できないで評価せず、その場を一緒に楽しむ雰囲気があると、参加しにくかった方が次第に声を出す場面が増えます。

よくある質問

Q脳トレ体操は毎日やらないと意味がないですか

A毎日でなくても構いません。できる日に短時間続けるほうが定着しやすく、無理に毎日を目指して負担になるより結果的に長く続きます。1回5〜10分を、できる範囲で重ねる姿勢で十分です。

Q立つのが不安な高齢者でもできる脳トレ体操はありますか

A椅子に座ったままできるメニューがあります。膝たたきしりとりや腕上げ計算、座位もも上げしりとりなどは、転倒のリスクを抑えつつ運動と認知課題を組み合わせられます。肘掛けのある安定した椅子を使い、見守りのもとで行うと安心です。

Q認知症の方にも脳トレ体操は取り入れられますか

A取り入れられますが、改善や回復を目的にするより、楽しく体を動かし役割や活動の機会を保つことを中心に考えます。難易度を下げ、間違えても否定しない声かけを心がけると、安心して参加できます。体調や状態に不安がある場合は、主治医や担当職員に相談してください。

Q集団レクで参加しない利用者にはどう対応すればよいですか

A見ているだけでも参加とみなし、無理に促さないことが基本です。後出しじゃんけんなど笑いが起きやすい課題や、なじみの歌を使うと自然に声が出やすくなります。一人ひとりに難易度を変えられる手段として、MR技術を活用した機能訓練を取り入れる施設もあります。

リハまるLiteの導入をご検討中の方へ

介護現場でのMR/VR機能訓練の活用について、詳しい資料をお送りします。デモのご依頼も承ります。

資料請求・デモ依頼はこちら

まとめ

脳トレ体操は、運動と認知課題を組み合わせることで、単独より続けやすくなる運動です。本人の姿勢・認知の負荷・好みに合わせてメニューを選び、安全に配慮しながら習慣化することが大切です。

この記事のまとめ

脳トレ体操は運動と認知課題の組み合わせで続けやすい

指先・座位・足踏み・声かけの4タイプから、姿勢・認知の負荷・好みで選ぶ

成功と失敗が半々になる難易度で、1回5〜10分から習慣にする

安全確保と、間違えても楽しめる雰囲気づくりを最優先にする

集団レクの個別化には、MR技術を活用した機能訓練を取り入れる施設も増えています。リハまるLiteの資料もあわせてご確認いただくと、選択肢を具体的に検討しやすくなります。