
MRリハビリテーションシステム「リハまる」を2023年度に導入いただいた、社会医療法人 若弘会 わかくさ竜間リハビリテーション病院様。
認知機能や高次脳機能に課題のある患者さんへの支援をはじめ、バランス障害や活動時の視線評価など、幅広いリハビリテーション場面で活用されています。
今回は、導入前の課題や院内で活用を定着させるための工夫、今後の展望についてお話を伺いました。
導入・活用のポイント
紙面課題や担当療法士の経験に依存しやすかった認知・高次脳機能へのアプローチに、新たな選択肢と「可視化・数値化」を取り入れるために導入。現在は25名の療法士が活用を経験し、100名を超える患者さんへのリハビリテーションで使用されています。
リハまる導入前には、どのような課題や悩みがありましたか。
当院では、様々なロボット機器や映像技術を活用した機器を導入しています。
「リハまる」は2023年度に導入しました。
「リハまる」を導入する以前は、認知機能低下や高次脳機能障害を呈した患者さんへのリハビリ課題に関して、経験則や暗黙知として各担当療法士の能力に依存していた状況も多くあったと思います。
また、これらの患者さんへのアプローチとして、机上で行う紙面媒体の課題を使用することも多い状況でした。
「リハまる」の導入により、これらの課題がすべて解決できたわけではありませんが、各担当療法士のリハビリ課題の選択肢が増えたこと、リハビリの状況や結果を可視化・数値化できるようになったことなど、たくさんのメリットを感じています。属人化した評価やリハビリから、適度な仕組み化に寄与しているものと考えています。

現在は、院内でどのようにリハまるを活用していますか。
「リハまる」導入に際し、患者さん情報の取り扱いや、先進的な機器の使用に関する療法士の心理的ハードルなどが大きな課題であったと思います。
導入後約3年が経過しましたが、現在は作業療法士や言語聴覚士が主となり、25名の療法士が「リハまる」を活用したリハビリを経験することができています。
対象となる患者さん像については、認知機能や高次脳機能に課題がある方を適応とすることが多いですが、バランス障害や活動時の視線評価なども含め、100名を超える方に「リハまる」を使用したリハビリを提供しています。


臨床で活用を定着させるために、どのような工夫をされましたか。
患者さんへの活用を進めていく上で、まず情報の取り扱いに関わるセキュリティの課題がありました。
「リハまる」には専用のクラウドサービスがあり、データの同期などの効果的な活用が検討できる反面、患者さんの情報を取り扱う病院にとっては、データ漏洩のリスクも懸念されました。
「リハまる」で使用する情報の匿名化とともに、データの取り扱いについては、テクリコさんからのフォローを受け、今日の活用に至っています。
先進的な機器の使用に関する療法士の心理的ハードルについては、まず機器の特徴などを職員が知る必要があります。機器の紹介を交えた院内での勉強会はもちろん、テクリコさんの「リハまる勉強会」なども活用しました。
また、中心となって機器を活用していく職員の育成を進め、実際の臨床場面で活用できる患者さん像と機器のマッチングにもつながっています。
当院は療法士が多く在籍していることもあり、現場で使用する職員が徐々に増え始めたころに合わせて、機器が円滑に使用されるよう、機器使用状況を管理するための予約表なども使用しています。

今後はどのように活用を広げていきたいですか。
「リハまる」は汎用性のある機器であると感じています。
多種多様なコンテンツが用意されており、患者さんの疾患を限定することなく、認知機能や高次脳機能、バランス障害などに対する訓練・評価として有用であると思います。
さらに、内蔵されているアイトラッキング機能は、患者さんの視線の動きを可視化できるものです。
当院では、患者さんの活動時の視線分析や、自動車運転支援の一環としてドライビングシミュレーターとの併用など、様々なリハビリ場面で活用を進めています。
より多くの患者さんへの活用はもちろんですが、関心のある職員には、機器を活用した新たな知見などにも取り組んでもらいたいと思っています。

これから導入を検討している病院・施設へのメッセージをお願いします。
高額な機器ということもあり、導入していくためにハードルが高く感じる方もおられるかもしれません。一方で、効果的に活用することができれば、リハビリの質の向上にも寄与してくれるものであると考えています。また、導入後もテクリコさんが細やかなフォローアップをしてくださるので、心強く感じています。活用される病院・施設が増え、共通の話題でつながりができればうれしく思います。
