Skip to main content
お役立ちコラム医療医療現場運営ノウハウ

老人の徘徊対策は原因理解から?日常ケアと見守りグッズで安心を守る方法

By 2026年7月14日8月 14th, 2026No Comments

認知症の方の徘徊は、家族や介護スタッフにとって最も気がかりな課題の一つです。原因を理解し、日常の対応から見守りグッズ、地域連携までを組み合わせることで、多くのリスクを減らせます。この記事では老人の徘徊対策を体系的に整理します。

この記事でわかること

徘徊は本人にとって目的のある行動であり、原因の把握が対策の出発点になる

不安・記憶障害・見当識障害・生活リズムの乱れなど、行動の背景を分けて理解します。

日常の関わり方と生活環境の見直しが徘徊対策の土台になる

否定しない対応、生活リズムの調整、日中の活動量確保、玄関・室内の工夫を解説します。

見守りグッズと地域連携を組み合わせることで、外出時の安全性が高まる

GPS・センサー・身元確認グッズ・自治体のSOSネットワークまで実用的に整理します。

この記事の監修者
坂本憲太
坂本 憲太(作業療法士/株式会社テクリコ)
京都大学大学院医学研究科修士課程修了。大学病院での作業療法士としての臨床・研究経験を経て、2020年より株式会社テクリコに参画。MR技術を活用したリハビリテーション機器の研究開発、医療機器関連業務、学術連携、製品化・事業推進に携わる。

MR技術を活用した3次元リハビリテーションシステム「リハまる」

臨床でのMR/VRリハビリの機能・特徴・対応症例をご紹介しています。

サービス詳細を見る

老人の徘徊対策は原因を知って早めに備えるのが基本

徘徊は「意味のない歩き回り」ではなく、多くの場合本人なりの理由があります。原因を分けて理解しないまま外出を制限すると、かえって不安が強まり行動が増えることもあります。まず背景とリスクを整理することが、老人の徘徊対策の出発点になります。

老人の徘徊は目的のある行動として理解する

徘徊の多くには「家に帰りたい」「仕事に行かなければ」「トイレを探している」といった本人なりの目的があります。認知症による記憶障害や見当識障害で現在地や時刻がわからなくなり、過去の記憶に沿って動いた結果、周囲からは目的のない歩き回りに見えるだけです。

たとえば夕方になると落ち着かず外へ出ようとする「夕暮れ症候群」は、若い頃の帰宅習慣が残っているケースが少なくありません。行動の裏にある目的を推測して対応することが、無理に止めるより効果的です。

老人の徘徊対策で先に知るべき主な原因を押さえる

原因は一つではなく、複数が重なって起こります。大きく分けると、認知機能の障害・心理的要因・身体的要因・環境要因の4つに整理できます。

要因具体例対応の方向性
認知機能記憶障害、見当識障害環境のわかりやすさを工夫
心理不安、孤独、焦り安心できる関わり方
身体便秘、痛み、空腹不快の解消
環境生活リズムの乱れ、退屈活動と休息のリズム調整

便秘や痛みといった身体的不快が引き金になっているケースは見落とされがちです。歩き回る行動が続くときは、まず体調面のサインがないかを確認します。

老人の徘徊対策で見逃せないリスクを把握する

徘徊そのものより、外出中に起こる二次的な事故が深刻です。夏場の脱水や熱中症、冬場の低体温、交通事故、転倒による骨折、行方不明のまま帰宅できないケースなど、命に関わるリスクが伴います。

徘徊に伴う主なリスク
  • 屋外での転倒による骨折、それをきっかけとした活動量の低下
  • 気温による脱水・熱中症・低体温
  • 交通事故や踏切事故
  • 長時間の行方不明による発見の遅れ

警察庁の統計でも、認知症やその疑いで行方不明となる高齢者は年間で数万人規模にのぼります。発見が遅れるほど命の危険が高まるため、外出を完全に防ぐ発想だけでなく、外出しても早く見つけられる備えが重要になります。

老人の徘徊対策は日常の対応と生活環境の見直しが効果的

グッズを揃える前に、まず日々の関わり方と生活環境を整えることが土台になります。不安を減らし、生活リズムを安定させ、日中に適度な活動を確保するだけで、歩き回る回数が落ち着くことがあります。

老人の徘徊対策では怒らず理由を確かめる

「どこに行くの」と問い詰めたり、力ずくで止めたりすると、本人は自分を否定されたと感じ、かえって不安と行動が強まります。まず「一緒に行きましょうか」と歩調を合わせ、落ち着いたところで目的を尋ねるほうが、行動を切り替えやすくなります。

推奨される対応
  • まず本人の言葉を受け止め、目的を確かめる
  • 一緒に少し歩き、自然に方向転換を促す
推奨されない対応
  • 頭ごなしに叱る、外出を力で止める
  • 「さっきも言った」と記憶を責める

老人の徘徊対策では生活リズムを整える

昼夜が逆転すると、夜間に外出しようとする行動が増えやすくなります。朝は決まった時間にカーテンを開けて日光を取り入れ、食事や入浴の時間を一定にすることで、体内時計が整いやすくなります。

昼寝が長すぎると夜眠れなくなるため、日中の仮眠は短めにとどめる工夫も有効です。一日の流れを見える形にするため、大きな時計やカレンダーを目につく場所に置くと、見当識の補助にもなります。

老人の徘徊対策では日中の運動や活動量を増やす

日中に体を動かす機会が少ないと、余ったエネルギーが夜間の歩き回りに向かうことがあります。散歩、体操、家事の一部を担ってもらうなど、本人が役割を感じられる活動を取り入れると、満足感が得られ落ち着きにつながります。

たとえば洗濯物をたたむ、庭の水やりをするといった昔から慣れた作業は、成功体験になりやすく取り組みやすい活動です。散歩は付き添って一緒に外へ出ることで、「外に出たい」という欲求を満たしつつ安全を確保できます。

リハまる

医療機関向け
MR技術
個別訓練に特化

MR(複合現実)技術を活用した3次元リハビリテーションシステム。現実空間にCGを重ねることで、日常生活に近い環境でのリハビリテーションを実現します。大学病院や急性期・回復期リハビリテーション病院を中心に、個別訓練に特化した詳細なデータ取得とフィードバックが特徴です。

基本情報
対象施設医療機関(大学病院・急性期病院・回復期リハビリテーション病院)、研究機関・教育機関
主な機能医療機関をはじめとしたリハビリテーションでの活用、アイトラッキングをはじめとした様々な詳細データ取得
価格お問い合わせください
◎おすすめポイント
  • 酔いにくい:VR酔いの心配が少ないMR技術で、歩行を伴う課題も実施可能
  • データ活用:アイトラッキング等で詳細なデータを記録・グラフ化
  • 研究基盤:関西医科大学など大学との連携研究に基づく開発

サービス詳細を見る →

本商品に対する口コミ
「人に言われてやる」から「自分でやる」リハビリへ

重度の認知症でやる気をなくしていた患者様が、MR機器をつけてリハまるを始めると真剣にリハビリに取り組むようになりました。

リハビリテーション科医師 A様

患者様がウキウキと楽しまれるように

紙と鉛筆で行う2次元空間のリハだといつも飽きてしまう患者様に、リハまるの3Dリハを試してみると、不思議なほど楽しまれるようになりました。

作業療法士 B様

どの年齢層にも受け入れられる設計

MR機器は高齢者には難しいのではと思いましたが、実際にお使いいただくと皆様1回目から難なく使われています。患者様目線のシンプルな設計だと思います。

理学療法士 C様

頭につける機械だからこそ没頭できる

リハビリは気が滅入ってしまうこともありますが、リハまるなら同じ内容でも毎回違う体験ができ、本当に没頭してしまいます。

利用者 D様

老人の徘徊対策は見守りグッズと地域連携を組み合わせると安心

日常の対応で行動が完全になくなるとは限りません。外出しても居場所をすぐ把握でき、身元がわかり、地域で見守れる体制を重ねておくことで、万一のときの発見が早まります。グッズと地域連携は「どちらか」ではなく組み合わせて考えます。

老人の徘徊対策でGPSを使うと居場所を把握しやすい

GPS端末や見守り用の位置情報アプリを使えば、外出した本人の居場所をスマートフォンで確認できます。靴に仕込むタイプ、キーホルダー型、衣類に縫い付けるタイプなどがあり、本人が持ち歩きを嫌がらない形を選ぶことが定着のコツです。

タイプ特徴向いている場面
靴・インソール型持ち忘れが少ない外出時に必ず履く方
キーホルダー型小型で持ち運びやすい鞄を必ず持つ方
衣類縫い付け型外されにくい端末を嫌がる方

充電の手間や電波の届きにくい場所がある点は事前に確認します。自治体によってはGPS端末の貸与や購入費用の一部助成を行っている場合があるため、住まいの制度を確認するとよいでしょう。

老人の徘徊対策でチャイムやセンサーを使うと外出に気づきやすい

玄関ドアの開閉を知らせるチャイムや、通過を検知する人感センサーを設置すると、家族が気づかないうちの外出を防ぎやすくなります。特に夜間の外出対策として、ベッドを離れた時点で通知する離床センサーも活用できます。

音が本人を刺激しすぎない設定にすること、家族のスマートフォンに通知が届くタイプを選ぶことがポイントです。出ようとした瞬間に気づける仕組みがあると、離れた場所で家事をしていても対応が間に合います。

老人の徘徊対策で名札や連絡先表示を用意しておく

外出先で保護されたときに身元がすぐわかるよう、氏名と緊急連絡先を記した名札やカードを身につけてもらいます。近年はQRコードシールを衣類や持ち物に貼り、読み取ると家族に通知が届く仕組みも普及しています。

個人情報を第三者に見せたくない場合は、氏名を伏せて識別番号だけを表示し、自治体や事業者を介して家族に連絡が回る方式が向いています。靴や普段使う杖など、必ず身につける物に情報を残すと確実です。

老人の徘徊対策で近所や自治体の見守りにつなげる

家族だけで見守るには限界があります。多くの自治体が認知症高齢者を対象とした「SOSネットワーク」や事前登録制度を設けており、行方不明時に警察・地域・協力事業者へ速やかに情報が共有される仕組みがあります。

事前登録には本人の顔写真や身体的特徴、よく行く場所などの情報が必要になることがあります。制度の名称や登録方法は自治体により異なるため、地域包括支援センターに確認してください。

日頃から近隣に事情を伝えておくと、一人で歩いているのを見かけた際に声をかけてもらえます。地域の理解が、発見までの時間を大きく縮めます。

老人が徘徊してしまったときの対策は初動の早さが重要

どれだけ備えても、外出してしまうことは起こりえます。姿が見えないと気づいたら、迷わず早く動くことが命を守ります。慌てて一人で探し回るより、探す場所を絞り、同時に外部へ相談する段取りを決めておきます。

老人の徘徊対策としてまず探す場所に当たりをつける

認知症の方は過去の記憶に沿って移動する傾向があり、以前住んでいた家、勤め先、実家、よく通った店などへ向かうことがあります。日頃から本人が口にする場所や思い出の地をメモしておくと、探索範囲を絞り込めます。

  • 以前の自宅や実家、長く勤めた職場
  • よく通っていた店やバス停、駅
  • 散歩コースや行きつけの場所

GPS端末を装着していれば、まず位置情報を確認してから動くのが最短ルートです。移動能力に応じて数キロ先まで歩くこともあるため、徒歩だけでなく車での捜索も想定しておきます。

老人の徘徊対策として警察と地域包括支援センターに相談する

「家族が探せば大ごとにしなくても」とためらう必要はありません。見つからないときは早めに110番へ届け出ます。警察への行方不明者届は、事件性がなくても受理されます。

事前にSOSネットワークへ登録していれば、届け出と同時に協力機関へ情報が流れます。平日日中であれば地域包括支援センターにも連絡し、地域の見守り体制につなげます。早く公的機関を動かすほど発見の確率が上がるため、迷わず相談することが大切です。

老人の徘徊対策として再発防止の記録と見直しを行う

無事に見つかった後は、いつ・どのような状況で・どこへ向かったかを記録しておきます。夕方に多い、特定の出来事の後に増えるといったパターンが見えると、次の対策につながります。

記録をもとに、玄関の工夫が不十分だったのか、日中の活動が足りなかったのか、センサーの通知が遅れたのかを振り返ります。ケアマネジャーや主治医と情報を共有し、デイサービスの利用日を調整するなど、生活全体を見直す機会にします。

よくある質問

Q徘徊を完全に止める方法はありますか

A外出そのものを完全に防ぐことを目標にすると、本人の不安が強まり行動が増えることがあります。不安の軽減や生活リズムの調整で回数を落ち着かせつつ、GPSや身元確認グッズで「外出しても早く見つけられる」備えを重ねる考え方が現実的です。心配な症状が続く場合は主治医に相談してください。

Q見守りグッズやGPSの費用に助成はありますか

A多くの自治体でGPS端末の貸与や購入費用の一部助成、位置情報サービスの利用補助などを設けています。制度の有無や内容は自治体により異なるため、地域包括支援センターや市区町村の窓口で確認してください。介護保険の対象になるかどうかもあわせて相談するとよいでしょう。

Q本人がGPSや名札を嫌がる場合はどうすればよいですか

A身につけていることを意識させない形が定着しやすいです。靴のインソール型や衣類に縫い付けるタイプ、普段使う杖や鞄への貼り付けなど、本人が違和感を持ちにくい方法を選びます。無理に持たせるより、日常的に必ず身につける物へ自然に組み込むことが続けるコツです。

リハまるの導入をご検討中の方へ

臨床でのMR/VRリハビリの活用について、詳しい資料をお送りします。デモのご依頼も承ります。

資料請求・デモ依頼はこちら

まとめ

老人の徘徊対策は、行動の背景にある目的や原因を理解することから始まります。日常の関わり方と生活環境の見直しを土台に、GPS・センサー・身元確認グッズ・地域のSOSネットワークを組み合わせ、万一外出しても早く見つけられる備えを重ねることが、本人の安全と家族の安心につながります。

この記事のまとめ

徘徊には本人なりの目的があり、原因を認知機能・心理・身体・環境に分けて理解する

否定しない対応、生活リズムの調整、日中の活動量確保が対策の土台になる

GPS・センサー・身元確認グッズと自治体の見守り制度を組み合わせて備える

外出時は探す場所を絞り、早めに警察や地域包括支援センターへ相談する

なお、認知症の方の生活機能を支える取り組みとしては、リハビリの場面でも本人の目標や生活課題から逆算した支援が進められています。注意機能や空間認知への評価・訓練の選択肢として、MR(複合現実)を活用したシステムなども臨床で用いられており、関心のある方は資料をご確認いただけます。