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リハビリ機器一覧|種類・特徴・導入時の選び方をわかりやすく解説

リハビリ室の機器選定を任されたものの、「どんな機器があり、何を基準に選べばよいか」で迷う場面は少なくありません。本記事では、リハビリ機器を目的・訓練内容・選定基準の3つの観点から整理し、臨床現場で活かせる形で解説します。

この記事でわかること

リハビリ機器一覧は「目的×対象」の2軸で整理すると選びやすい

訓練か評価かという目的と、身体機能か認知機能かという対象の2軸で分類すると、機器の役割が明確になります。

訓練内容ごとに使う機器が異なる

歩行・筋力・関節可動域・バランス・上肢手指・ADLといった訓練内容ごとに、代表的な機器を具体的に把握できます。

選定は安全性と運用性の両面で判断する

対象者の目標との適合、設置スペース、介助のしやすさ、記録機能、費用と保守体制まで含めて判断する視点が身につきます。

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リハビリ機器一覧は目的×対象の2軸で整理すると選びやすい

リハビリ機器は多種多様で、名称だけを羅列しても現場では判断しにくいものです。「目的」と「対象」の2つの軸で整理すると、対象者の課題との対応づけがしやすくなります。目的は訓練か評価か、対象は身体機能か認知機能かという2×2で捉えると、機器の役割が明確になります。まず全体像を一覧で示し、続いて4つの区分ごとに解説します。なお、MR(複合現実)・VR(仮想現実)を用いた機器も、評価や訓練に用いる手段の一つとして各区分に含めています。

区分身体機能へのアプローチ認知機能へのアプローチ
訓練エルゴメーター・トレッドミル・レッグプレス・平行棒・歩行器・免荷式歩行装置・ロボット型歩行支援機器・ペグボード・ADL訓練設備机上課題・PC課題・タブレット端末・MR機器(複合現実型)・VR機器(仮想現実型)
評価徒手筋力計・握力計・ゴニオメーター・重心動揺計・三次元動作解析装置PC・タブレット向け認知評価ソフト・MR機器(複合現実型)・VR機器(仮想現実型)

訓練で使うリハビリ機器

訓練の場面では、身体機能に働きかける機器と、認知機能に働きかける機器を使い分けます。対象者の目標に応じて、どちらか一方、または組み合わせて選択します。

身体機能に関する機器

筋力・持久力・関節可動域・歩行能力に働きかける機器です。エルゴメーターやトレッドミル、レッグプレスなどの抵抗運動器具で負荷を段階的に設定し、Borgスケール(自覚的運動強度)などと組み合わせて調整します。歩行では、平行棒で支持性を確保しながら歩行器や免荷式歩行装置へと段階を進め、ロボット型の歩行支援機器を用いる場面もあります。手指の巧緻性やADL(日常生活動作)には、ペグボードやADL訓練設備を使い、実際の生活行為に近い場面で練習します。

  • エルゴメーター(上肢用・下肢用)
    有酸素運動と持久力へアプローチ
  • トレッドミル
    歩行速度や持続時間を管理しながら訓練
  • レッグプレス・プーリーなどの抵抗運動器具
    筋力へアプローチ
  • 平行棒・歩行器・歩行車
    支持性に応じた歩行練習
  • 免荷式歩行トレーニング装置
    体重を支えながら歩行練習
  • ロボット型歩行支援機器
    歩行パターンの練習を補助
  • ペグボード・セラプラスト
    上肢手指の巧緻性へアプローチ
  • ADL訓練設備
    更衣・整容・調理などの生活行為を練習

認知機能に関する機器

認知機能への訓練では、机上課題やPC・タブレットを使った認知トレーニングソフトが広く使われています。注意や遂行機能、記憶に働きかける課題を通じて実施状況を記録し、経過を追うことができます。近年はMR(複合現実)・VR(仮想現実)を用いた機器も選択肢に加わっており、現実空間が見えたまま課題に取り組めるMR機器は、立位や歩行を伴う課題を設計しやすい点が特徴です。

  • 机上課題(線分二等分検査など)
    注意や視空間認知へアプローチ
  • PC課題・認知トレーニングソフト
    反応時間や注意の持続、遂行機能を扱う課題を提供
  • タブレット端末
    操作が簡単で、場所を選ばず認知課題に取り組める
  • MR機器(複合現実型)・VR機器(仮想現実型)
    現実空間にオブジェクトを映し出して探索する注意課題など、空間認知や記憶への課題を提示

評価で使うリハビリ機器

評価の場面でも、身体機能を測る機器と、認知機能を測る機器を目的に応じて使い分けます。

身体機能に関する機器

徒手筋力計や握力計、ゴニオメーター(角度計)といった基本的な測定器から、重心動揺計、三次元動作解析装置まで幅があります。測定対象が異なる点に注意が必要で、握力計は筋力、重心動揺計は姿勢制御、動作解析装置は運動学的なパラメータを扱います。測定対象を混同せず、目標に応じて使い分けることが前提です。

  • 徒手筋力計・握力計
    筋力を数値化
  • ゴニオメーター(角度計)
    関節可動域を測定
  • 重心動揺計
    姿勢制御やバランスを評価
  • 三次元動作解析装置
    運動学的パラメータを分析

認知機能に関する機器

認知機能の評価では、PC・タブレットで動作する認知評価ソフトが広く使われ、注意・記憶・遂行機能などをスコア化します。机上検査では捉えにくい、歩行中や動作中の探索の偏りを確認したい場合には、MR(複合現実)・VR(仮想現実)機器のアイトラッキング機能が選択肢になります。

  • PC・タブレット向け認知評価ソフト
    注意・記憶・遂行機能などをスコア化
  • MR機器(複合現実型)・VR機器(仮想現実型)
    アイトラッキングで視線や注意、空間認知を評価・記録

リハビリ機器一覧でよく使う機器は訓練内容ごとに違う

同じ「筋力訓練」でも、対象部位や目標によって選ぶ機器は変わります。ここでは訓練内容ごとに、現場でよく使われる機器を整理します。介入内容は疾患名だけでなく、障害像・生活課題・本人の目標によって決まる点を前提に読み進めてください。まず訓練内容ごとの代表的な機器と関連指標を一覧で整理します。

訓練内容よく使う機器関連する評価
歩行訓練平行棒・歩行器・免荷式歩行装置歩行速度・持久力(10m歩行・6分間歩行)
筋力・関節可動域訓練レッグプレス・プーリー・セラバンド筋力・関節角度の測定
バランス・起立訓練バランスボード・重心動揺計・起立補助装置バランス・起立能力の評価
上肢・手指訓練上肢用エルゴメーター・ペグボード・電気刺激装置上肢機能・巧緻性の評価
日常生活動作の練習ADL訓練設備・手すりBarthel Index・FIM
認知・注意へのアプローチMR/VR機器・机上課題・PC課題注意・空間認知・記憶の評価

歩行訓練で使うリハビリ機器

歩行訓練では、まず平行棒で支持性を確保しながら立位・歩行を練習し、能力に応じて歩行器や歩行車へ段階を進めます。免荷式の装置を使えば、体重を部分的に支えながら早期から歩行パターンの練習ができます。10m歩行テストや6分間歩行テスト(6MWT)で歩行速度や持久力を数値化し、変化を追います。支持性の高い機器から段階的に難易度を上げるのが基本的な進め方です。

筋力訓練と関節可動域訓練で使うリハビリ機器

筋力訓練では、レッグプレスやプーリー、セラバンド、ダンベルなどで抵抗を段階的に設定します。関節可動域訓練では、滑車を用いた自動介助運動などを用います。術後早期など疼痛や炎症がある局面では、負荷設定を慎重に行い、医師・療法士の判断のもとで進めます。単に訓練量を増やすのではなく、疲労や二次障害の予防にも配慮します。

バランス訓練と起立訓練で使うリハビリ機器

バランス訓練では、バランスボード、バランスパッド、重心動揺計を用います。重心動揺計は足圧中心(COP)の動揺を可視化でき、視覚フィードバックとしても活用されます。起立訓練では、昇降式のプラットフォームや起立補助装置を用い、5回立ち上がりテスト(SS-5)などで変化を確認します。バランス能力の評価にはBBS(Berg Balance Scale)やTUG(Timed Up and Go test)がよく用いられます。

上肢訓練と手指訓練で使うリハビリ機器

上肢訓練では、上肢用エルゴメーターやプーリー、リーチ動作を促す設備を用います。手指訓練では、ペグボードやセラプラスト、巧緻性を扱う訓練器具が中心です。脳卒中後の上肢麻痺に対しては、電気刺激装置やロボット型の上肢支援機器が用いられる場面もあります。単調な反復では意欲が続きにくいため、動作の目的や達成感を意識した課題設計が求められます。

日常生活動作の練習で使うリハビリ機器

ADL練習では、実際の生活場面を想定した設備を使います。更衣・整容・入浴・調理などを模した訓練環境、移乗を支える手すり、福祉用具の適合検討などが含まれます。ADLの評価にはBarthel IndexやFIM(機能的自立度評価)が用いられますが、点数だけでなく、実際の生活状況や本人の希望、環境も併せて評価します。生活場面は室内の移動だけでなく、時間帯・明るさ・疲労・屋外や社会参加まで含めて捉えます。

導入施設の活用事例を見る

実際にリハまるを導入した病院での活用方法や臨床現場の声をご紹介しています。

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リハビリ機器一覧から選ぶときは安全性と運用性が重要

機器の性能が高くても、現場の運用に合わなければ活用は続きません。対象者への適合と、日々の運用のしやすさの両面で判断することが重要です。ここでは選定時に確認したい5つの観点を整理します。

対象者の症状と訓練目標に合うかを見る

最初に確認すべきは、想定する対象者の障害像と目標に機器が合うかです。回復期で歩行再建を目指す病棟と、生活期で活動や社会参加の拡大を目指す施設では、必要な機器が異なります。ICF(国際生活機能分類)の観点で、心身機能・活動・参加のどこに働きかけたいかを整理すると選定がぶれにくくなります。想定利用者数や重症度の幅も、機能の過不足を判断する材料になります。

設置スペースと移動しやすさを確認する

大型機器は設置面積だけでなく、周囲の安全な動線も確保する必要があります。免荷式歩行装置やトレッドミルは相応のスペースを要し、床の耐荷重や電源容量の確認も欠かせません。逆に、キャスター付きで病棟へ持ち出せる機器は、ベッドサイドや食堂など活動場面に近い場所での訓練を可能にします。設置後の移動可否は、運用の柔軟性に直結します。

介助のしやすさと転倒予防の機能を比べる

立位や歩行を伴う機器では、転倒予防の機構が実用性を左右します。免荷ハーネス、手すり、緊急停止機能、非常時の解除のしやすさを確認します。移乗の負担が大きい機器は、スタッフの腰痛など二次的な負担にもつながります。少人数で安全に運用できるかという視点は、継続利用の鍵となります。

安全性・運用性の確認チェックリスト
  • 緊急停止・免荷など転倒予防の機構が備わっているか
  • 少人数のスタッフでも安全に運用できるか
  • 設置スペースと電源・耐荷重の条件を満たすか
  • 測定・記録データを多職種で共有できるか
  • 導入後の保守・アップデート体制が整っているか

測定機能や記録のしやすさを確認する

介入効果を客観的に把握するうえで、測定・記録機能は評価しやすさを大きく左右します。歩行速度や重心動揺、成績を自動で数値化・保存できる機器は、経過の共有や目標の再設定に役立ちます。データを電子カルテやチーム内で共有できると、医師・看護師・PT・OT・STなど多職種の連携が進めやすくなります。記録の手間が少ないほど、日々の運用に定着しやすくなります。

導入費用と保守体制のバランスで判断する

導入費用は本体価格だけでなく、消耗品・保守契約・アップデートを含めた総額で見積もります。高額な機器ほど、故障時の対応やサポート体制の確認が欠かせません。診療報酬・介護報酬の算定は改定や施設基準・制度上の要件によって扱いが異なるため、機器導入と算定を結びつける際は最新の情報を確認します。診療報酬は2年に1度、介護報酬は3年に1度の改定が行われるため、時点に注意が必要です。

確認しておきたい注意点
機器導入による算定や加算の扱いは、改定時点や施設基準・契約によって異なります。最新の要件は厚生労働省の通知で確認し、機器の効果と算定の可否を混同しないよう注意してください。

評価と訓練を支えるテクノロジー活用

先の機器一覧でも手段として挙げたMR(複合現実)やVR(仮想現実)を用いた機器について、ここで詳しく整理します。これらは評価や介入の手段の一つとして活用されています。これらは新しい「リハビリの種類」ではなく、個別の目標や課題に応じて使う手段として位置づけられます。従来の機器と対立するものではありません。

MRとVRの違いを整理する

MRとVRは一括りにされがちですが、性質が異なります。VRは仮想空間に没入する方式で、現実環境が見えにくくなります。MRは現実空間にCGを重ねる方式で、周囲を見ながら利用できます。この違いは、実空間での移動可否、安全管理、酔いや不快感、必要なスペースに影響します。

項目MR(複合現実)VR(仮想現実)
現実環境の見え方見える見えにくい
立位・歩行の実施実施しやすい配慮が必要
現実空間が見えること見える見えない
酔うリスク低いある

3次元リハビリテーションシステム「リハまる」の特徴

株式会社テクリコ(大阪市北区梅田)が開発する「リハまる」は、MR技術を用いた3次元リハビリテーションシステムで、特許を取得しています。医療分野向けは光学シースルー型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用し、現実空間にCGを重ねて課題を提示します。現実空間が見えたまま利用できるため、立位や歩行を伴う課題も設計しやすい構成です。関西医科大学をはじめ、東京大学・京都大学・慶應義塾大学・藤田医科大学との連携研究が行われています。

  • 数字抹消・選択抹消・迷路・花道など、注意や空間認知を扱う課題を用意
  • 触れる・視線・頸部回旋・音声など複数の操作方法から選択可能
  • アイトラッキングで視線履歴や1人称視点の映像を記録・共有
  • 立位・座位・ベッドサイドなど、対象者の状態に合わせて実施可能

臨床での活用が報告されている領域

学会や論文では、半側空間無視(USN)・注意障害・認知機能などに対する評価や介入の活用が報告されています。たとえば、机上検査では検出されにくい歩行時や動作中の探索の偏りを、視線データとして可視化した報告があります。ただしこれらは特定の患者における経過を含み、すべての対象者に同様の結果が得られることを示すものではありません。適応や負荷設定の最終判断は、医師・療法士が行います。

神経疾患患者や高齢者を対象にMRを用いた動的なバランス運動の実施可能性を検討した報告があり、酔い(VIMS)のリスクは低いことが示された。
出典 Ushizawa K, Uehara S, Yuasa A, Matsuura D, Wada Y, Watanabe H. Archives of Rehabilitation Research and Clinical Translation. 2026.

よくある質問

Qリハビリ機器の一覧はどのように整理すると分かりやすいですか

A目的×対象の2軸で整理するのがおすすめです。訓練か評価か、身体機能か認知機能かという軸で分けると、対象者の課題と機器の対応づけがしやすくなります。さらに歩行や筋力といった訓練内容ごとに具体的な機器を把握すると、選定の精度が上がります。

Q機器を選ぶときにまず確認すべき点は何ですか

A対象者の障害像と訓練目標への適合を最初に確認します。そのうえで設置スペース、介助のしやすさと転倒予防の機能、測定・記録のしやすさ、導入費用と保守体制のバランスを総合的に判断します。性能と現場の運用性の両面で見ることが重要です。

QMRやVRを使った機器は従来の機器と何が違いますか

AMR・VRは独立した種類ではなく、評価や介入を行うための手段です。VRは没入型で現実環境が見えにくく、MRは現実空間にCGを重ねるため周囲を見ながら利用できます。視線データの記録や課題設定の柔軟さが特徴ですが、適応や負荷設定は医師・療法士の判断に基づきます。

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まとめ

リハビリ機器は種類が多いため、目的別の整理から始め、訓練内容ごとの具体的な機器を把握し、安全性と運用性で選定するという流れが実務的です。機器はあくまで手段であり、対象者の目標に沿った活用が前提となります。

この記事のまとめ

リハビリ機器一覧は訓練/評価 × 身体機能/認知機能の2軸で整理すると選びやすい

歩行・筋力・バランス・上肢手指・ADLなど訓練内容ごとに使う機器は異なる

選定は対象者への適合と運用性の両面で判断し、安全性と記録機能を確認する

MR・VRは新しい種類ではなく、目標に応じて使う評価・訓練の手段である

MR技術を用いた「リハまる」の機能や導入事例について詳しく知りたい方は、資料請求やデモ依頼を通じて、自施設の目標に合うかどうかをご確認いただけます。