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お役立ちコラム介護介護DX

認知症対策は早期発見と生活習慣が鍵|予防・家族の備え・公的支援まで専門家がやさしく解説


認知症対策は「早く気づくこと」と「暮らしを支えること」を同時に進めるのが基本です。予防習慣・見守り・公的支援を整理し、本人と家族が今日から動ける手順を、介護現場の視点で解説します。

この記事でわかること

早期発見は「加齢の物忘れ」との違いを知ることから始まる

物忘れの質やもの盗られ妄想など、受診を検討する目安を整理します。

予防習慣は運動・食事・睡眠・社会参加の4本柱で考える

今日から取り組みやすい生活習慣を、根拠と留意点つきで紹介します。

家族の備えは見守り・お金・契約をセットで進める

徘徊対応や成年後見など、後回しにしがちな備えを具体化します。

公的支援は認知症基本法や地域の窓口を起点に活用する

相談先・サポーター制度・災害時の支援まで俯瞰します。

この記事の監修者
坂本憲太
坂本 憲太(作業療法士/株式会社テクリコ)
京都大学大学院医学研究科修士課程修了。大学病院での作業療法士としての臨床・研究経験を経て、2020年より株式会社テクリコに参画。MR技術を活用したリハビリテーション機器の研究開発、医療機器関連業務、学術連携、製品化・事業推進に携わる。

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認知症対策は早期発見と生活支援を並行して進めることが大切

認知症対策は「予防」と「発見後の支援」を切り離さず、同時に進める視点が欠かせません。予防に取り組みながらも変化に早く気づき、気づいたら適切な相談先へつなぐ流れをつくることが、本人と家族の生活を守ります。まずは症状の特徴と受診の目安を押さえます。

認知症対策でまず知っておきたい症状の特徴

認知症は、記憶・見当識・判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態を指します。原因疾患により症状の出方は異なります。アルツハイマー型では新しい出来事の記憶が抜けやすく、レビー小体型では幻視や日内変動、血管性では意欲低下や段階的な悪化がみられることがあります。

現れやすい行動・心理症状(BPSD)の例
  • 不安・興奮
  • もの盗られ妄想
  • 昼夜逆転

これらは環境や本人の不安が引き金になることが多く、薬に頼る前に、落ち着ける環境づくりや本人の訴えに寄り添う関わりを優先します。「何を忘れたか」より「本人が何に困っているか」を起点に考えると、対応の糸口が見えます。

認知症対策で見分けたい加齢による物忘れとの違い

加齢による物忘れと認知症の違いは、物忘れの「質」に現れます。以下の観点で整理すると、家族が変化に気づきやすくなります。

観点加齢による物忘れ認知症の物忘れ
忘れる範囲体験の一部を忘れる体験そのものを忘れる
自覚忘れた自覚がある自覚が乏しくなる
ヒントきっかけで思い出す思い出しにくい
生活への影響支障は少ない支障が出る
覚えておきたいポイント
認知症の前段階として、記憶などに低下がみられても日常生活は自立している軽度認知障害(MCI)の状態があります。MCIの段階で気づき、生活習慣の見直しや定期的な受診につなげることが、対策の重要な入り口になります。

認知症対策で重視したい早期相談のタイミング

次のような変化が続くときは、早めの相談を検討する目安です。

  • 同じ話を何度も繰り返す
  • 約束や火の始末を忘れる
  • 慣れた道で迷う
  • 買い物で同じものを何度も買う

本人が受診を嫌がる場合も少なくないため、「健康診断のついでに」「かかりつけ医に相談」など、抵抗の少ない入り口を選びます。早期に相談する意義は、原因疾患の特定と治療可能なタイプの鑑別にあります。甲状腺機能低下症や正常圧水頭症など、適切な治療で改善が見込める病気が隠れている場合もあります。「歳のせい」と決めつけて受診を先送りすると、こうした機会を逃しかねません。

認知症対策を本人と家族で考える意義

認知症対策は家族だけで抱え込むテーマではありません。本人が判断できるうちに、これからの暮らしや希望を一緒に話し合っておくことに大きな意味があります。

どこで暮らしたいか、誰に支えてほしいか、お金の管理をどうするか。本人の意思を早めに確認しておくと、後の選択で家族が迷いにくくなります。

家族が変化を責めるような接し方をすると、本人の不安が強まりBPSDが悪化することもあります。失敗を指摘するより、できていることに目を向ける姿勢が、本人の安心と家族の負担軽減の両方につながります。

認知症対策として日常生活で取り組みやすい予防習慣

認知症の発症には、高血圧・糖尿病・難聴・喫煙・運動不足・社会的孤立など、複数の要因が関わると報告されています。裏を返せば、日常生活で見直せる要素が多いということです。ここでは運動・食事・睡眠・社会参加の4つの柱で、取り組みやすい習慣を整理します。いずれも「発症を必ず防ぐ」ものではなく、リスクを下げる可能性がある取り組みとして捉えます。

認知症対策につながる運動習慣

ウォーキングなどの有酸素運動は、生活習慣病の管理を通じて認知症のリスク低減につながりうる取り組みとして注目されています。

  • 有酸素運動
    少し息が弾む程度の速歩を1日20〜30分、週数回。まとまった時間が取れなければ10分の散歩を数回に分けても可
  • デュアルタスク(二重課題)
    足踏みしながら100から7を引き続けるなど、運動と計算・しりとりを同時に行う

転倒リスクのある方は、椅子に座った状態や手すりのある場所で行い、安全を確保します。

認知症対策で意識したい食事と栄養

食事では、特定の食品に偏らずバランスよく食べることが基本です。青魚に含まれる不飽和脂肪酸、野菜・果物・全粒穀物・豆類を中心とする地中海食や、それを応用したMIND食が、認知機能の維持と関連づけて研究されています。ただし「これを食べれば予防できる」という単一の食品は存在しません。高齢者では、食が細くなり低栄養に傾くことも見逃せません。極端な制限食よりも、まずは主食・主菜・副菜をそろえ、たんぱく質をしっかり摂ることを優先します。

注意ポイント
持病があり食事制限が必要な方は、自己判断で献立を変えず、医師や管理栄養士に相談してください。

認知症対策に役立つ睡眠と生活リズム

睡眠の質は脳の健康と深く関わります。慢性的な睡眠不足や不規則な生活は、認知機能に影響しうるため、規則正しいリズムを整えることが大切です。

睡眠を整える基本
  • 朝は決まった時間に起きて日光を浴びる
  • 日中はしっかり活動する
  • 夜は寝室を暗く静かに保つ

昼寝は30分以内の短い時間にとどめると、夜間の睡眠を妨げにくくなります。過度な飲酒やカフェインの摂りすぎは睡眠を浅くするため、ストレス管理とあわせて生活全体を見直します。いびきが強く日中の眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸などが隠れていることもあり、医療機関への相談を検討します。

認知症対策として続けたい社会参加と脳の活動

人との交流が減り社会的に孤立することは、認知機能低下の要因の一つに挙げられています。役割を持ち「頼られる」経験は、本人の意欲を支えます。

  • 趣味の集まり
  • 地域のサロン・ボランティア
  • 家族との会話

ここで見落とされやすいのが難聴です。聞こえにくさが会話や外出を遠ざけ、孤立を招くことがあります。聞き返しが増えたと感じたら聴力を確認し、必要に応じて補聴器の使用を検討します。読書やパズルなどの脳トレも楽しみとして続ける分には有意義ですが、これ単独で予防が完結するわけではなく、運動や交流と組み合わせて考えます。

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認知症対策で家族が進めたい見守りと介護の備え

予防と並行して、家族が整えておきたいのが暮らしの備えです。相談先の確認、徘徊への対応、見守りの仕組み、お金と契約。これらは症状が進んでから慌てて動くと選択肢が狭まります。本人が判断できるうちに、できることから準備を進めます。

認知症対策で確認したい受診先と相談窓口

受診先や相談先は、症状の段階に応じて次のように整理できます。

  • かかりつけ医
    最初の相談の入り口
  • もの忘れ外来・認知症疾患医療センター
    より専門的な診断が必要な場合の選択肢
  • 地域包括支援センター
    介護面の相談の中核。要介護認定の申請やケアマネジャーの紹介まで一括で相談できる

どこに相談してよいか分からないときは、まず地域包括支援センターに連絡するのが実務的です。連絡先は市区町村の窓口やホームページで確認できます。

認知症対策として備えたい徘徊や行方不明への対応

ひとり歩きによる行方不明は、家族が最も不安を抱える場面の一つです。

事前にできる備え
  • 衣服や持ち物に名前・連絡先を記載する
  • 最近の顔写真を用意しておく
  • 近隣や交番に事情を共有しておく
  • 「認知症高齢者見守りネットワーク」に事前登録する

行方不明時は、ためらわず早めに警察へ連絡することが大切です。「大げさかもしれない」と通報を遅らせると、発見が遅れ危険が増します。本人が外に出たがる背景には、不安や「行くべき場所がある」という思いが隠れていることも多く、頭ごなしに止めるより、理由に寄り添う関わりが再発防止につながります。

認知症対策で活用しやすい見守りサービスと地域支援

見守りの手段は、家族だけで担うものではありません。

見守りの手段
GPS端末や玄関の開閉を知らせるセンサー、緊急通報装置といった機器による見守りに加え、配食サービスの安否確認、民生委員や近隣住民の協力、自治体の見守り訪問など、人による見守りも組み合わせられます。

これらは費用や対象条件が自治体・事業者により異なるため、地域包括支援センターで利用できる支援を一覧で確認するのが近道です。「機器だけ」「人だけ」に頼らず、複数を重ねて抜けを減らす設計にすると、家族の負担を分散できます。

認知症対策として考えたいお金と契約の備え

認知症が進むと、預貯金の管理や契約行為が難しくなります。判断能力が十分なうちに備えておきたい制度は、対象や役割が異なります。

財産管理や契約を法的に支援する「成年後見制度」と、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理を支える「日常生活自立支援事業」は、対象や役割が異なります。

本人の判断能力があるうちなら、将来に備えて支援者をあらかじめ決めておく「任意後見」も選べます。家族間で財産や介護方針を早めに話し合っておくことも、後のトラブルを避ける備えです。制度の詳細や手続きは、地域包括支援センターや自治体の相談窓口、社会福祉協議会で確認できます。

認知症対策で知っておきたい公的支援と地域の取り組み

認知症対策は個人や家族だけでなく、社会全体で支える方向へと進んでいます。国の法律から地域の身近な取り組みまで、活用できる仕組みを知っておくと、いざというときの選択肢が広がります。

認知症対策に関わる認知症基本法と施策の考え方

2024年に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は、認知症の人が尊厳を持って希望を持って暮らせる社会を目指す理念を掲げています。予防だけでなく、認知症になっても地域で暮らし続けられる「共生」の視点が柱に据えられている点が特徴です。

「治す・防ぐ」だけを目標にすると、進行したときに行き詰まりを感じやすくなります。本人の意思を尊重し、暮らしやすい環境を整える視点を持つと、進行後も取り組める支援が並列で見えてきます。

認知症対策を支える認知症サポーターと普及啓発

認知症サポーターは、養成講座を受け、認知症を正しく理解し本人や家族を温かく見守る応援者です。特別な資格ではなく、正しい知識を持つ人を地域に増やす取り組みです。

認知症サポーターの広がり
  • 企業・学校・地域で受講が広がっている
  • 受講の機会は市区町村やキャラバン・メイト事務局が案内

家族が講座を受けると、症状への理解が深まり、日々の接し方に落とし込めます。地域に理解者が増えることは、ひとり歩きの際の早期発見や、本人が外出しやすい環境づくりにもつながります。

認知症対策で利用しやすい自治体の講座と研修

多くの自治体が、家族向けの介護教室や認知症カフェ、当事者と家族が交流できる集いを開いています。認知症カフェは、本人・家族・専門職・地域住民が気軽に集まれる場で、悩みの共有や情報交換ができます。介護に行き詰まりを感じたとき、同じ立場の人とつながれる場は支えになります。こうした情報は、市区町村の広報や地域包括支援センターに集約されています。「相談は敷居が高い」と感じる段階でも、カフェや講座なら参加しやすく、早期の情報収集の入り口として活用できます。

認知症対策で確認したい災害時の支援

災害時は、認知症の人が環境の変化に混乱し、避難や避難所生活で困難を抱えやすくなります。

  • 「避難行動要支援者名簿」への登録を確認する
  • 服薬情報・かかりつけ医・本人の特性をまとめておく
  • 福祉避難所の場所・利用条件を事前に確認する

個別避難計画の作成に取り組む自治体も増えています。避難所では慣れない環境で症状が強まることがあるため、事前の確認が、いざというときに動きやすくなります。

認知症ケアに活用できるテクノロジーと機能訓練の選択肢

予防や見守りに加え、施設や通所の場での機能訓練にテクノロジーを取り入れる動きも広がっています。2025年4月には介護テクノロジーの重点分野に「機能訓練支援」が追加され、現場での活用が後押しされています。その一つが、MR(複合現実)技術を活用した機能訓練支援サービス「リハまるLite」です。

リハまるLiteの特徴
  • 現実空間が見えたまま利用できる
    目の前に映し出された対象を探索する注意課題や、歩きながら認知課題に取り組むデュアルタスクにゲーム感覚で取り組める
  • VR(仮想現実)に比べて酔うリスクが低い
    視界がすべて仮想空間に置き換わらないため、高齢の方も取り組みやすい
  • 難易度が結果から自動で調整される
    集団体操では参加しにくい方が自分から取り組む場面も生まれる
  • 特別な資格や研修が不要
    看護師・介護スタッフが操作でき、持ち運びできてICT基盤が未整備の事業所でも始めやすい

開発元の株式会社テクリコは、関西医科大学をはじめとする大学との連携研究を基盤に、認知機能や身体機能への個別アプローチを追求しています。効果を保証するものではありませんが、利用者の意欲を引き出しやすい取り組みとして注目されています。

よくある質問

Q認知症は生活習慣で予防できますか

A「必ず防げる」ものではありませんが、運動・食事・睡眠・社会参加の見直しや、高血圧・糖尿病・難聴などの管理は、発症リスクを下げる可能性がある取り組みとして報告されています。単一の方法に頼らず、複数を組み合わせることが大切です。

Q家族に受診を勧めても嫌がります。どうすればよいですか

A「健康診断のついで」「かかりつけ医への相談」など抵抗の少ない入り口を選ぶと動きやすくなります。本人が拒む段階でも、家族だけで地域包括支援センターに相談できます。無理に説得するより、まず窓口で対応方法を相談するのが現実的です。

QMCI(軽度認知障害)と診断されたら何をすればよいですか

AMCIは日常生活が自立している段階です。生活習慣の見直しと定期的な受診で経過を見守ることが基本になります。この段階での気づきは対策の重要な入り口です。具体的な取り組みは、主治医や地域包括支援センターに相談しながら進めましょう。

リハまるLiteの導入をご検討中の方へ

介護現場でのMR/VR機能訓練の活用について、詳しい資料をお送りします。デモのご依頼も承ります。

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まとめ

認知症対策は、予防と発見後の支援を分けずに進めることが大切です。完璧を目指すより、地域包括支援センターなど身近な窓口を起点に、できることから一つずつ備えていきましょう。

この記事のまとめ

加齢の物忘れとの違いを知り、変化に早く気づいて相談につなげる

運動・食事・睡眠・社会参加の4本柱で生活習慣を見直す

見守り・お金・契約の備えを本人の判断力があるうちに進める

認知症基本法や地域の窓口・支援を積極的に活用する

本人の意思を尊重する姿勢が、家族の負担軽減にもつながります。機能訓練にテクノロジーを取り入れる選択肢に関心があれば、リハまるLiteの資料もあわせてご確認ください。